六本木で食べた野菜炒めは美味かった。

「六本木」


黒人と若者が集う、眠らない街である。


僕は、新宿より大宮で渋谷より上野で品川より浅草なので、この六本木や赤坂近辺には、人生で無縁と言っていいほどである。


一度だけ六本木に降り立った当時21歳の僕は、確かヘアメイクショーなるものをベルファーレに観に行った事がある。正直ベルファーレの光景は殆どないが、街を徘徊する黒人が、僕の前に現れ女の子の写真を数枚差し出してきたことと、ビックマックセットが深夜料金によって高かった事が、僕の六本木を語る事ができる全てである。


なので、久々に降り立った六本木で、僕が注目する所は「黒人とビックマック」しか思い浮かばないのだけれど、今回は会社の友人が「ライブ」をやるって聞いたので、キャバクラとエロビデオ屋が合体したペットショプ隣、ampmの地下にあるライブハウスへ。


人生初「ライブ」鑑賞


いや正直凄かった。今まで一度もライブを観たことがないかもしれない。コンサートで女の子が泣いている映像は今までCGだと思っていたので、自分の涙腺が若干緩んだ事に驚いた。涙腺緩んでいるのに、体は熱く、バンドから伝わる魂が僕の魂に鼓動し、それがどんどん広がって会場全体の雰囲気を作っていた。けして大げさでなく、これがライブ、谷から飛び降りてダイブ、巨人元キャッチャーはデーブ大久保みたいに、テンションは急上昇。まさに未体験の感覚である。


僕の友人yukiron、ボーカルである。僕の普段のイメージはどちらかと言えば、あまり口数が多い方でなく、いつもお客さんに謝っているイメージである。


それがステージに立つyukironは別人だった。


yukironの生きる場所はまさにステージであって、会社でお客さんに謝っているのは、ステージに立つ為のステップに過ぎないのだろう。僕も何かのステップの為にでお客さんに謝りたいななんて考えながら、帰りの日比谷線、終着駅北千住の明らかにホームの人ごみがひどかった。


雷が凄く電車が止まったらしい。


北千住漫画喫茶にて一晩「東京都立水商業高校」を読み明かした。