この声がかれるくらいに君に好きと言えばよかった。

夢をみた。


あなたとのデートの前日、僕はあなたの夢をみた。

夢の中でのあなたは、どこか悲しげで、でも笑っていて、僕の事を見ていました。
夢の中でのあなたは、僕と恋人同士かどうかはわかりませんが、その世界には、僕とあなたしかいないようで、辺りの景色は真っ白で、そんなあなたは、悲しげに、でも笑っていて、僕の事を見ていたようです。


そんな夢に何の意味があるかなんて僕にはわかりませんが、とにかくそんな夢を見て目覚めたデート当日の朝だった。どこか、夢の余韻があるのか、現実感がいつもにも増して感じる事が出来ない朝。日曜の朝。


そんな現実感の無さは、あなたを待つ15分間の間まで続いていたようで、僕の周りでは、僕以外の人達だけが時間が動いていて、犬を散歩しているおじいちゃんやら、誰かと待ち合わせしている女の子やら、手を繋ぎながら駅に向かっていくカップルやら、いろいろな人達が僕の前を通り過ぎて行った。僕と僕以外の人達との間には見えない壁があり、僕が立っている場所には僕以外の人達からは僕が立っていなくて、僕自身だけが僕が立っている事を知っている。


そんな僕をあなたは15分遅れで、見つけ出した日曜の昼。


あなたから逃げ出して7ヶ月、あなたに告白してから1年、あなたと出会ってから6年。


正直、あなたの話は、僕の聞きたくない事ばかりで、あなたの携帯に電話がかかってくる度に、あなたは僕以外の人達と一緒になり、見えない壁がそこにできてしまいそうでした。


でも、ただ一つ。今のあなたは、僕を必要としていて、今あなたが抱える悩みは、正直僕にはどうすることも出来ないし、それをあなたもわかっているのだろうけど、それでも僕を必要としてくれるのであれば、僕はあなたのそばにいたいと思う。


あなたの未来はあなたしか開けないのだから、あなたが本当にこっちにきたいのなら、僕はあなたのそばにいたいと思う。


7ヶ月前、あなたから逃げ出した僕ですが、6年前も今も僕はあなたのそばにいます。
月並みの言葉だけれど、今のあなたに送る言葉はこれしかないと思うのでこの言葉送りたいと思う。


「頑張れ」